エントリーNO.540
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伽藍が白かったとき

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

1935年、初のアメリカ旅行で、摩天楼に〈美しい破局〉を見たル・コルビュジエ(1887-1965)。 機械文明と Time is money!の国で彼は西欧を省みる----中世 伽藍(がらん) が新しかった時、人々の気迫と手仕事がなした偉業を。 第2次大戦前に出た本書は、新しい文明と都市計画を模索し、建築という時代表現に自然と人間を呼び返す。生誕120年、新鮮な旅人の、甦る名著!

発行
岩波文庫 2007年7月18日 第1刷
著者名
ル・コルビュジエ  
タイトル
伽藍が白かったとき (がらんがしろかったとき)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一部  環境
      T  事物の偉大さ
        伽藍が白かったとき
 この国フランスのこの時代において最も美しいもの、建築----理性と詩情が共存し、智慧と企画が協同する建築という事物---- 私は建築に特有の発明と勇気と創造的精神を、憎しみや怖れや精神の貧しさや無気力のもつあらゆる残忍さをもって (いま) わしくも執拗に破壊し打ち負かそうとする人々を、 良心の苛責と後悔に導いてやりたい。

  中世伽藍(カテドラル) が白かったとき、ヨーロッパは、真新しく奇跡的で気違いじみて向う見ずな技術の絶対的な要求に応じてあらゆる手仕事を組織し、そしてその技術の使用によって、 思いがけない形態のシステム----精神が千年来の伝統を見棄ててためらうことなく文明を未知の冒険に投げこむ形態のシステム----に到達したのであった。 一つの国際的な言語が、白色人種の住むあらゆる土地を支配し、思考の交換と文化の伝播とを容易にした。


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