エントリーNO.536
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リヴァイアサン

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

各人が各人を敵に争う戦争状態こそ人間の自然状態であり、国家とは、平和維持のために絶対主権をもって君臨すべく創出されたいわば人工的人間にほかならない。 こうホッブズ(1588−1679)は主張し、まず国家を創造し構成する人間の分析を行なう。(改訳・全4冊)

発行
岩波文庫 1993年7月5日 第30刷
著者名
ホッブズ  
タイトル
リヴァイアサン (全4冊)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一部  人間について
      第一章  感覚について
 人間の諸思考について、私はそれらを、まず単独で、そのあとで系列 Trayne において、すなわち相互依存において、考察しようとおもう。 単独では、それらはひとつひとつ、われわれの外部にある物体の、ある 性質(クオリティ) あるいは他の 偶有性(アクシデント) の表象 Representation または現われ Appearanceであり、 この物体はふつう、対象 Object とよばれる。 その対象が、目や耳やその他の人体の諸部分に作用し、そして作用の多様性によって、現象の多様性をうみだすのである。
 それらのすべての根源は、われわれが 感覚(センス) とよぶものである(なぜならば、人間の心のなかの概念は、どんなものでも、はじめに感覚の諸機関に、全体としてあるいは一部ずつ、生じたのだからである)。 のこりのものはすべて、その根源から、ひきだされる。
 感覚の自然的原因をしることは、さしあたっての仕事にひじょうに必要というわけではなく、それに私は別のところで、このことについてくわしく書いておいた。 そうではあるが、私の現在の方法の、どんな部分も欠如させないために、私はここで、そのことについてかんたんにのべよう。


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