エントリーNO.511
岩波文庫を1ページ読書

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

詩の翻訳の可能性/不可能性、メタファーの使われ方の歴史と実際、そして物語りの方法についてなど、 フィクションの本質を構成する「詩的なるもの」をめぐる議論を分かりやすい言葉で展開する、 ハーヴァード大学ノートン詩学講義(1967-68)の記録。

発行
岩波文庫 2011年6月16日 第1刷
著者名
J.L.ボルヘス  
タイトル
詩という仕事について (しというしごとについて)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    1 詩という謎
 まず最初に、私から何を期待すべきか、いやむしろ、何を期待すべきでないか、はっきり申し上げておきたいと思います。 この第一回の講義の題目そのもので、どうやら私はミスを犯してしまいました。 思い違いでなければ、題目は「詩という謎」で、アクセントはもちろん、二番目の単語の「謎」にあります。 したがって皆さんは、肝心なのは「謎」であるとお取りになるかもしれない。 あるいは、一層悪いことに、その謎の正解をどうやら見つけたと、私が勝手にそう思い込んでいるとお取りになるかもしれない。 実際には、皆さんにお教えするようなことは、私には何もありません。 私はこれまで書物を読み、腑分けし、書き(もしくは書こうと試み)、楽しんでもきました。 そしてこの最後の行為こそが、何よりも大切なものであることを悟りました。


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