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エントリーNO.57
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
トロヤ戦争の物語を絵本でよんだ少年シュリーマン(1822-1890)は美しい古都が必ず地下に埋れていると信じ、 その発掘を志す。長年にわたる猛烈な勉強と経済的苦闘の結果、 ついに独力をもってトロヤ、ミケネの発掘事業に着手、 少年の日の夢は実現して多くの遺跡を発見、考古学、 美術史学会に莫大な貢献をした。これはその生涯と事業の克明な記録。

発行
 岩波文庫 2009年4月24日 第82刷
著者名
 シュリーマン
タイトル
 古代への情熱 (こだいへのじょうねつ)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   一 少年時代と商人時代(一八二二−六六)
 ”私はうぬぼれにかられてこの著書をわが身の上話からはじめるのではない。 私の後半生のすべての仕事は幼少時代の印象によって定められたこと、いや、 たしかにそれらの印象の当然の結果であったことを、はっきりと説明したいと願うからである”と、 ハインリヒ・シュリーマンはその著書『イリオスIlios』の序文に書いている。 ”いわばトロヤやミケネの墳墓を発掘した私のすきとくわとは、 幼少のときに最初の八か年をすごしたドイツの小村で早くもきたえ (みが) かれていたといってよい。 それだから、貧しい幼少のときにたてた大計画を、人生の秋になって実行させたその財産を、 どのようにして私がえたかを語るのも必ずしも無用なこととは思えない。
 私は一八二二年一月六日にメックレンブルク=シュヴェリーンの小都市ノイエ・ブコウに生まれた。 父のエルスト・シュリーマンはそこの新教派の説教者であったが、 一八二三年には同じ資格でこの大公領内のヴァーレンとペンツリンとのあいだにある小さな村アンケルスハーゲンの教会区に招かれた。

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