表紙一覧へ        次のエントリーへ

エントリーNO.53
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
日本の近代詩の出発点となった島崎藤村(1872-1943)の詩は、 近代日本の自覚期ともいうべき歴史的青春と、詩人および人間としての人生の青春と、 詩の文芸ジャンルとしての若さとが相まって生み出された比類のない青春文学である。 「若菜集」「一葉舟」「夏草」「落梅集」などより自選。各詩集初版本目次と校異を付す。
  解説=吉田精一

発行
 岩波文庫 2009年2月5日 第13刷
著者名
 島崎 藤村 (しまざき とうそん)
タイトル
 藤村詩抄 (とうそんししょう)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  『若菜集』より
       明治二十九年----同三十年(仙台にて)
序のうた

心無(こころな) き歌のしらべは
一房(ひとふさ) 葡萄(ぶどう) のごとし
なさけある手にも () まれて
あたゝかき酒となるらむ

葡萄棚ふかくかゝれる
(むらさき) のそれにあらねど
こゝろある人のなさけに
(かげ) に置く房の三つ四つ

そは歌の若きゆゑなり
味ひも色も浅くて
おほかたは () みて捨つべき
うたゝ寝の夢のそらごと

表紙一覧へ        次のエントリーへ


copyrighit (c) 2011 岩波文庫を1ページ読書