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エントリーNO.52
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理が実は近代資本主義の生誕に大きく貢献したのだという歴史の逆説を究明した画期的な論考。 マックス・ウェーバーが生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の出発点を画す。 旧版を全面改訳して一層読みやすく理解しやすくするとともに懇切な解説を付した。

発行
 岩波文庫 2009年9月4日 第45刷
著者名
 マックス・ウェーバー
タイトル
 プロテスタンティズムの 倫理(りんり) 資本主義(しほんしゅぎ) 精神(せいしん)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  第1章 問題
  一 信仰と社会層分化
 さまざまな種類の信仰が混在している地方の職業統計に目をとおすと、通常つぎのような現象が見出される。 それはドイツ・カトリック派会議の席上や同派の新聞、文献の中でたびたび論議されていることだが、 近代的企業における資本所有や企業家についてみても、あるいはまた上層の熟練労働者層、 とくに技術的あるいは商人的訓練のもとに教育された従業者たちについてみても、 彼らがいちじるしくプロテスタント的色彩を帯びているという現象だ。 この現象は、たとえば東部ドイツにおけるドイツ人とポーランド人の間のように信仰の種類が国籍の区別と一致し、 したがって文化の発達程度とも一致しているような地方で見られるだけではない。 およそ資本主義の発展期に、その結果として、住人たちの間に社会層分化と職業分化が生じた地方ではいたるところ---- この分化が激しければ激しいほど明白に----信仰統計の数字をとおして明らかに見出される。 このように近代の大商工企業における資本所有や経営、それから高級労働にかかわりをもつプロテスタントの数が相対的にきわめて大きいということ、 換言すれば、それらに参加しているプロテスタントの数が総人口におけるプロテスタントの比率よりも大きいということは、 ある点まで、古い過去の時代に発した歴史的な理由によるものと見ることができる。

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