[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

エントリーNO.497
岩波文庫を1ページ読書
フランス文学案内

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

フランス文学は人間学であり、フランス文学史とは人間学の連続講演にほかならぬという発想で本書は執筆され、三十年間にわたって幅広い読者にむかえられてきた。 このたび20世紀の部を増補改訂してアップ・トゥー・デートな内容とし、併せて全面改版をほどこした。

発行
岩波文庫 1995年11月6日 第47刷
著者名
渡辺 一夫 (わたなべ かずお) 鈴木 力衛 (すずき りきえ)  
タイトル
フランス文学案内 (フランスぶんがくあんない)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    外観
 これらの時代に見られる特徴----それぞれの時代に共通する社会状態や文学上の傾向、そしてまたおのおのの作家や作品に見られる独特の主題やその扱いかたを眺める前に、 わたくしたちはフランス文学の特徴はなんであるか、フランスの文学が、いかなる点で他の国の文学と違っているか、そういう問題をまず考えてみることにいたしましょう。
 フランス語の特徴  フランス語は明快で、的確で、優雅な言葉だといわれております。 中世からルネッサンスの時代を経て、現代にいたるまで、フランスの言葉は、すこしずつ形が変わってきておりますが、 フランスの文学者たち、いや、文学者だけでなく、国民の大部分が、自分の国の言語を、美しく正確なものにしようと、不断の努力を積み重ねてきました。 いかなる国民でも、自国語に無関心であるはずはないでしょうが、フランス人ほど意識的・意欲的に、その国語を美しく豊かにし、 文章の格調を正しくし 陰翳(いんえい) をつけようと努めてきた国民は、おそらくほかにありますまい。 フランス語とフランス文学とを古代人たちの言葉や文学に優るとも劣らぬ立派なものにしようという「フランス語の擁護と顕揚」の運動は、 十六世紀のプレイヤッド派の詩人たちによっておこなわれておりますが、十七世紀に入りますと、ランブイエ侯爵夫人


copyrighit (c) 2011 岩波文庫を1ページ読書