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エントリーNO.488
岩波文庫を1ページ読書
エックハルト説教集

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

ドイツ神秘主義の源泉エックハルト(1260頃-1328?)の説教22篇と論述1篇ほかを収録。 説教の中心は心の自由の平安の問題であり、苦しみや悲しみのただ中にあってもなおそれを高く超え出た在り方のあることが「離脱」の概念を介して説かれる。 ユングはエックハルトを評して「自由な精神の木に咲く最も美わしき花だ」といった。

発行
岩波文庫 2011年5月16日 第15刷
編訳者
田島 照久 (たじま てるひさ)  
タイトル
エックハルト説教集 (エックハルトせっきょうしゅう)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    魂という神殿について
    (マタイによる福音書第二十一章第十二節)[説教一]
      Intravit Iesus in templum et coepit eicere vendentes et ementes.
(イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し・・・)

 わたしたちは聖なる福音書のうちで、わたしたちの主が神殿に入り、そこで売り買いをしていた人々を追い出して、 鳩やそのたぐいのものを売っていた他の人々に向かって、「このようなものはここから運び出しなさい」(ヨハネ二・一六)と語ったのを読む。 なぜイエスはそこで売り買いする人々を追い出し、鳩を売る人々に鳩を片づけるよう命じたのだろうか。 それはイエスが神殿を (から) にしておきたかったからにほかならない。 あたかも「私はこの神殿に対して権限をもっている。ただひとりこの内にいて、その支配権を手にしていたい」と語りたかったかのようである。 このことは何を意味するのだろうか。


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