エントリーNO.468
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美味礼讃

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

ブリア-サバラン(1755-1826)という人は世にも名だたる食通だったが、これがまた、ただの美食家とはわけが違う。 あらゆる学問芸術に通ぜざるなく、その上、詩も作曲も、時には粋な小唄の一つも歌おうという、こういう人物が学殖蘊蓄を傾けて語る”料理の芸術”と言えば、 この名著の内容をほぼ御想像いただけるだろう。(全2冊)

発行
岩波文庫 1984年5月16日 第16刷
著者名
ブリア・サヴァラン  
タイトル
美味礼讃 (びみらいさん) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    味覚の生理学 第一部 
  瞑想 一 感覚について
感覚とは、われわれがそれによって外界の事物と関係をつける諸器官である。
    感覚の数
 1 感覚は少なくとも六つ数えられる。
 視覚。これは空間を包括し、光をたよりにわれわれをとりまくもろもろの物体の存在および色彩をわれわれに教える。
 聴覚。これは空気を仲介として、音や声を出すもろもろの物体がひきおこす震動を受け入れる。
 臭覚。われわれはこれによって、においを放つもろもろの物体のにおいを () ぐ。
 味覚。われわれはこれによって、味わいがあって食べられるいっさいのものを鑑賞する。
 触覚。これはもろもろの物体の堅さや表面を対象とする。
 最後に生殖器官あるいは肉体愛。これは両性相引かさせ、種族を繁栄させることをその目的とする。
 驚いたことに、これほど重要な生殖感覚も、ほとんどビュッフォンにいたるまでは無視されていて、触覚と混同されたり、それに付属させられたりしていた。


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