エントリーNO.461
岩波文庫を1ページ読書
モーツァルトの手紙

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

モーツァルト(1756-91)の手紙には深遠な芸術論や人生に関する哲学的な省察が述べられているわけではない。 その大部分は身辺雑事の報告である。少年時代から死の直前までを年代順に選び配列した214通は、 天才芸術家もまたわれわれと同じ弱さを持った人間だったことを語る。だからかえってその音楽はいっそう懐しくまた崇高に響いてくる。

発行
岩波文庫 1984年5月16日 第6刷
編訳者
柴田 治三郎 (しばた じさぶろう)  
タイトル
 モーツァルトの手紙(モーツァルトのてがみ) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    イタリアだより

 1 母(在ザルツブルク)へ
                〔ヴォルグル(ティロール)、一七六九年十二月十四日〕
 大好きなママ!
 何もかも楽しいことばかりで、ぼくはもうすっかり有頂天です。だってこの旅はとても面白いからです。 馬車の中はとても暖かいからです。 御者(ぎょしゃ) は愛想のいい人で、 道がちょっとでもいいと、とても速く走らせるからです。 道中のことはパパからママにお知らせしたでしょう。 ぼくがママに書くわけは、僕が深く深く尊敬しているママに、なすべきことをちゃんとわきまえていることを、見てもらうためです。ではさようなら。
                               ヴォルフガング・モーツァルト


copyrighit (c) 2011 岩波文庫を1ページ読書