エントリーNO.457
岩波文庫を1ページ読書
原爆の子

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

一九四五年八月、広島・長崎に投下された原爆による災害は、 史上かつてない惨事として、今日もなお深い爪痕をのこしている。 自らも広島で被爆した編者が平和教育のために編集したこの原爆体験手記は、世界各国語に翻訳され全世界に感銘をよびおこした。(全2冊)

発行
岩波文庫 1993年7月5日 第3刷
編者
長田 新 (おさだ あらた)  
タイトル
原爆の子 (げんばくのこ) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    T
                        小学校四年(当時満四歳)
                               佐藤朋之
 八月六日のあの時、ぼくはまだ、がっこうにいってはおりませんでした。 ぼくはその時、近くのふろやのまえであそんでいました。 そのときせいちゃんが、はたけにいって花をもってきてちょうだい、といったので、とりにいった。 きゅうにひかったのでびっくりしていえにいこうとすると、 きゅうに目の中にはり(針)がたくさんはいって、どこがどこだかわからない。 いえのほうにいこうとすると、げんかんにぶっつかりました。目をあけるとそのへんはうすぐらくなっていました。 するとおばあちゃんが、けいかちゃん(弟)をせおって、にげていった。 ぼくはおばあちゃんについていった。そしてぼうくうごうの方にいきました。 ぼうくうごうのなかに、こまい(小さい)お姉ちゃんがいたので、四人でかたまっていました。 また、こまいお姉ちゃんの上の大きい姉ちゃんがかけってきたので、またかたまっていました。 その大きいお姉ちゃんは、みつぼしのかしやで、おかしをつくっていたのです。


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