エントリーNO.441
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俳句への道

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

晩年の虚子が、次女星野立子の主宰する『玉藻』に連載した俳話をまとめたもの。 俳句の本質、味わい方、作り方について自在に語ったもので、客観写生・花鳥諷詠の理念がやさしく説かれる。 芭蕉時代の俳諧5篇と子規・碧梧桐の思い出や『ホトトギス』のことを質問に答えるかたちで語った貴重な記録「研究座談会」を収録。
(解説=藤松遊子)

発行
岩波文庫 1997年4月4日 第3刷
著者名
高浜 虚子 (たかはま きょし)  
タイトル
俳句への道 (はいくへのみち)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    俳句への道
  一
 私等は、日本という国ほど 景色(けしき) のいい所は世界中ないような心もちがします。 こういうと世界の国々を知っている人は、そんな事はない、 何処(どこ) にはこういう景色がある、 彼処(かしこ) にはああいう景色がある、それを知らないで、世界を充分見もしないで、 ただ日本だけ見て、そんな (ひと) りよがりをいうのは、いわゆる井の中の (かわず) のたとえで、 物知りには笑われるから、そんな事をいうのは (つつし) んだがよかろうというに (きま) っています。
 それに違いありません。私がちょっと 仏蘭西(フランス) まで旅行して来ただけでも、その途中でさまざまないい景色に接して参りました。 中国の 江南(こうなん) の景色、セイロンの落日の景色、 仏蘭西のローヌ河畔の木の芽の景色、ムードンの森の 驟雨(しゅうう) の景色、 独逸(ドイツ) のライン (がわ) の古城の景色、 ベルギーのヒヤシンス・チュウリップ等の 花畠(はなばたけ) 、 オランダの風車、 倫敦(ロンドン)


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