エントリーNO.413
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パイドロス

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

真実そのものの把握なしには真実らしく語ることさえ本来的に不可能であることを立証し、 「哲学」の立場から鋭く当時の弁論術を批判したのがこの対話篇である。 本書はプラトン(前427-347)の代表作の一つであって、 特に『ソクラテスの弁明』をはじめとする前期著作群を『テアイテトス』以降の著作に結びつけてゆく重要な役割を担っている。

発行
岩波文庫 2011年5月6日 第58刷
著者名
プラトン  
タイトル
パイドロス  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    パイドロス
      ----美について----
    登場人物
      ソクラテス
      パイドロス
   紀元前五世紀の終り近く 真夏のある晴れわたった日の日ざかり
   アテナイ郊外 イリソス川のほとりにて

 ソクラテス やあ、パイドロス、どこへ?そしてどこから来たのかね?
 パイドロス ケパロスの息子のリュシアスのところから来ました、ソクラテス。そして、これから城壁の外へ散歩に行くところです。 なにしろ、リュシアスのところで朝はやくから腰をおちつけて、ずいぶん長く時をすごしてしまったものですから。 私は散歩といえば、あのあなたにも私にも仲間の、アクメノスの言にしたがって、大道を 闊歩(かっぽ) することにしています。 つまり彼の説によると、疲れをいやすにはそのほうが、ドロモスを歩くよりも効果があるそうですからね。
 ソクラテス たしかに、君、彼の言うことはもっともだ。それはそうと、どうやらリュシアスが町(アテナイ)に出てきていたとみえるね。
 パイドロス ええ、エピクラテスの家----ほら、あの、オリュンポスの社のそばの例のモリュコス邸ですが----あそこに来ていたのです。
 ソクラテス それで、いったい何をして時間をすごしていたのかね。


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