エントリーNO.389
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存在と時間

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

現代ドイツ哲学界の第一人者マルチン・ハイデガー(1889-1976)の主著。 ギリシア以来のヨーロッパ哲学の高貴な宿題である存在一般の意味を、限りある個々の人間の根本構造の分析を通じて、 時間の視界から決定しようと企てる。 今世紀前半の哲学の大勢を制し、形而上学の復興、またそれ以後、実存哲学の発展に、大きな影響を与えた名著である。

発行
岩波文庫 1984年1月20日 第26刷
著者名
ハイデガー  
タイトル
存在と時間 (そんざいとじかん) 全三冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

     序説 存在の意味への問いの究明
  第一章 存在の問いの必要、その問いの構造と優位
 第一節 存在への問いを、はっきりと繰り返すことの必要
 「形而上学」を再び肯定することが、現代の進歩のしるしだと考えられているにもかかわらず、右の存在への問いは、 いま、忘れさられています。 それでもひとは、新たに燃えだした「 実有(ウーシア) に関する巨人の戦」といったものへの緊張から、 開放されたとでも思っているのです。 このさい、いま触れられた問いは、決して勝手気ままな問いではありません。 この問題は、プラトンやアリストテレスをさんざん悩ませたあげく、----実際の研究の主題的な問いとしては----それ以来なるほど、黙りこませてはいます。 この 両人(ふたり) の思考がかち得たところのものは、 さまざまの〈ずれ〉と「上塗り」に彩られて、ヘーゲルの「論理学」にまで持ち越されました。 そしてかつては、たとえ断片的であり、最初のすべりだしであったにせよ、思考の最高の努力によって、 もろもろの現象から闘い取られたものが、すでに久しく陳腐なものにされてしまっているのです。


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