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エントリーNO.386
岩波文庫を1ページ読書
ギリシア奇談集

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

原題は「多彩な物語」。古代ローマの著述家アイリアノス(2世紀後半-3世紀)が、 百花咲き乱れる牧場のように多彩絢爛な読み物を世に供せんと、先行群書からこれぞという話題を抜き出して編んだ一書である。 古今の名士・名将の逸話をはじめ、大食漢や大酒呑み、愚物・悪人の話に各地の珍談・奇談など、460余話を収めた話の泉。

発行
岩波文庫 1989年2月20日 第2刷
著者名
アイリアノス  
タイトル
ギリシア奇談集 (ギリシアきだんしゅう)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一巻
   一  (たこ)
 蛸は恐るべき胃の持主で、その 悪食貪食(あくじきどんしょく) ぶりは類がない。 共食いをすることさえ (まれ) ではなく、 小さいのが大きいのに捕えられ、強力な罠----いわゆる「蛸の 巻髪(まきがみ) 」----にはまりこむと、 その餌食になってしまう。 蛸はまた次のようにして魚類をも待伏せする。岩蔭に身を潜め体色を岩に同化させて、元からの岩であるかのように見せかけるのである。 魚が岩かと思って泳ぎ寄ってくると、蛸はいきなり自分の網を、つまり巻腕を投げかけるのである。
   二  蜘蛛(くも)
 蜘蛛というのは、工芸の神アテナの賜物である 機織(はたおり) の術を知っているわけでも知りたいと思っているわけでもない。


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