エントリーNO.357
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民主主義と教育

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

教育とは直接的な経験から出発し、これを絶え間なく再構成・拡大深化してゆく過程である。 したがって、それは子どもや学校の問題にとどまらない。とすれば民主主義社会における教育とは何か。 教育に関する在来の学説をこの観点から根本的に洗い直し、 デューイ自身の考えを全面的に展開し世界の教育界の流れを変えた20世紀の古典。

発行
岩波文庫 1983年11月10日 第11刷
著者名
デューイ  
タイトル
民主主義と教育 (みんしゅしゅぎときょういく) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一章   生命(ライフ) に必要なものとしての教育
 一、 伝達による 生命(ライフ) の更新  生物と無生物との間の最も著しい差異は、 生物が更新によって自己を維持するということである。 石を打てば、石は抵抗する。もし石の抵抗力がそれに加えられた打撃の強さより大きいならば、石は外面的にはもとのままである。 さもなければ、石は打ち砕かれて、小さな破片となる。 石は決して、打撃に対抗して自己を維持するというような仕方で反応しようとはしない。 まして打撃を自己の行動の持続に役立つ要因とするように反応しようとはしない。 ところで、生物は圧倒的な力によってたやすく押しつぶされるかもしれないが、それでも生物は自己に作用するエネルギーを自己の存続のための手段へと変えようとする。 それができなければ、生物は(少なくとも高等な生物においては)こわれて小さな破片になるだけでなく、 もはやある特定の生物ではなくなってしまうのである。
 生物は、生存しているかぎり、自己自身のために周囲のエネルギーを利用しようと務める。 生物は、光や空気や水分や地中の物質を利用する。 生物がそれらのものを利用するということは、生物がそれらを自己保存の手段へと変えるということなのである。 生物が成長しつづけている限り、このように環境を利用することによってそれが獲得するものは、 その時それが消費するエネルギーを償って余りがある。つまり成長するのである。


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