エントリーNO.349
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漱石日記

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

漱石は明治三十二、三年から大正五年の死の年まで全集版で八百ページを越す大部の日記や断片を残している。 ここにはそのうちからイギリス留学中の日記、修善寺大患時の日記など七篇の日記を収録。 人間漱石の内奥の声が響いてくる。
(解説・注=平岡敏夫)

発行
岩波文庫 1995年4月5日 第9刷
編者
平岡 敏夫 (ひらおか としお)  
タイトル
漱石日記 (そうせきにっき)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    ロンドン留学日記
  明治三十三年九月八日より明治三十四年十一月十三日まで
明治三十三年(一九〇〇)年
 九月八日[土] 横浜発。遠州洋にて船少しく (ゆら) ぐ。 晩餐を喫する (あた) わず。
 九月九日[日] 十時神戸着、上陸。諏訪山中 常盤(ときわ)  にて午餐を喫し、温泉に浴す。 夜、下痢す。晩餐を喫せず。
 九月十日[月] 夜半長崎着。
 床上に困臥して気息 奄奄(えんえん) たり。 直径一尺ばかりの丸窓を凝視すれば一星窓中に入り来り、また出で去る。船は波に従って動揺すればなり。
 九月十一日[火] 長崎上陸。県庁にて馬淵・鈴木二氏に面会す。筑後町迎陽亭に至り入浴、午餐を喫す。四時半帰船。


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