エントリーNO.348
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経済発展の理論

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

成熟した資本主義の複雑なメカニズムを分析した書物として、 本書はケインズの「一般理論」と並ぶ古典的地位を占める。 資本主義経済過程を循環−発展の2段階的に把握し、 革新・新結合という経済内部の自発的な発展力に着目し、 信用・資本・利子・利潤・景気循環などの問題を統一的に解明する。

発行
岩波文庫 1983年12月20日 第7刷
著者名
シュンペーター  
タイトル
経済発展の理論 (けいざいはってんのりろん) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一章  一定条件に制約された経済の循環
 社会事象は一つの統一的現象である。その大きな流れから経済的事実をむりやりにとり出すのは、 研究者の秩序を立てる腕である。 われわれがある事実を経済的と名づけることはすでに一つの抽象であって、 それは現実を思考の上に再現する技術的必要からやむをえずおこなわれる数多くの抽象の最初のものである。 どんな事実もその底の底まで完全にまたは「純粋に」経済的なものではない。 それにはつねに他の----しかもしばしばいっそう重要な----側面がともなっている。 それにもかかわらず、われわれは科学において、日常生活におけると同じようにまたそれと同等の権利をもって、 経済的事実について語るのである。 この権利はさらに、一国民の文学がその国民の存在のあらゆる他の要素と不可分に結合しているにもかかわらず、 なおわれわれが一つの文学史を書きうる権利にも比較することができるのであろう。 これと同じ権利がここでも用いられるのである。
  経済的事実
 社会的事実は少なくとも直接には人間行為の結果であり、経済的事実は経済行為の結果である。 そして後者は財貨の獲得を目的とする行為であると定義してもよい。


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