エントリーNO.345
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不安の概念

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

激しい憂愁と懐疑に堪えたキェルケゴールは、主体的な存在を問題とした最初の思想家であった。 ここに今日に至る実存哲学の祖としての思想史的意義がある。 本書はこのような彼の自己自身との厳しい総決算であり、 質的飛躍による真実絶対への生を創造する過程を、深い体験の表現において展開した内容豊かなもの。

発行
岩波文庫 1984年6月10日 第32刷
著者名
キェルケゴール  
タイトル
不安の概念 (ふあんのがいねん)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    緒論
 いかなる意味において、この研究の対象は心理学の関心を唆るところの課題なのであり、 かついかなる意味において、それは心理学を煩わしたのちに、ほかならぬ教義学を指し示すのであるか。

 それぞれの学問的な問題が、学問という広い領域の内部で、定められたおのれの場所を占めており、 それぞれの目標と限界とを有するものであるということ。それは全体の画面のなかにそれぞれの仕方で融けこむべきものであり、 全体の交響楽への参加はそれぞれの持ち場において許されるものであるということ。 このような考え方は、ただに、或いは感激の或いは憂愁の熱情によって学者をして気品あらしめる 所以(ゆえん) 念願の敬虔(ピウス・デンデリウム) さを意味しているというにとどまるものではない。


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