エントリーNO.334
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草の葉

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

伝統的な詩の形式を無視した自由詩で、あるがままの人間の生命を賛美したホイットマン(1819-92)の詩は、 アメリカをしてアメリカたらしめている根源的作品といわれる。 アメリカ文学を代表する傑作となった全詩集『草の葉』の完訳決定版。(全3冊)

発行
岩波文庫 1998年1月16日 第1刷
著者名
 ホイットマン  
タイトル
草の葉 (くさのは) 全3冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    草の葉 (上)
さあ、とわたしの「魂」が言った。
わたしの「からだ」のたみにこんなふうな歌を書こう、(わたしたちは一つのものだ)、
もしも私が死んだあと目に見えぬ姿となって地上にもどり、
それとも遠く (はる) かなのちの世に、ほかの天体の住人となり、
(「大地」の土、樹木、風、逆まく浪と調べを合わせて)、
どこかの仲間の群れを相手に、ふたたび歌い始める折でもあれば、
いつも (うれ) しげにほほ笑みながら歌いつづけ、
いつも変わらずこれらの歌をわがものとしておけるよう----さらばまず、ことのはじめに、
「魂」と「からだ」に代わって署名者となり、これらの歌にわが名をしるす、
                         ウォルト・ホイットマン


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