エントリーNO.331
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告白

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

ローマ時代末期最大の神学者・思想家の魂の遍歴。若い日の放縦な生活ののち、 回心を経験してキリスト者となった経過を語り、罪深い生活から真の道へと導いてくれた神の恩寵を心から讃える。 この世のむなしさを充たし、心にやすらぎをもたらす唯一の方法はなにか。 本書はその問いかけへのアウグスティヌス(354-430)の答えでもある。

発行
岩波文庫 1984年4月10日 第8刷
著者名
 アウグスティヌス  
タイトル
告白 (こくはく) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一巻
 はじめに神を呼び求めたのち、出生から十五歳に至るまでのことを回顧して、 幼年時代、少年時代の罪を語り、その頃遊びにふけって学問をおろそかにしたことを告白する
  第一章
     神の偉大さにうながされて、神を呼び求める
 一、「主よ、あなたは偉大であって、大いにほめられるべきである」。「あなたの力は偉大であって、あなたの知恵は測られない」。 しかも人間は、あなたの取るに足らぬ被造物でありながら、あなたをたたえようと欲する。 すなわち、人間はおのれの死の定めを身に負い、おのれの罪のしるしと「あなたが高ぶる者に逆らわれる」証拠を身にまとっている。 しかも人間は、あなたの取るに足らぬ被造物でありながら、あなたをたたえようと欲する。 あなたは人間を呼び起こして、あなたをほめたたえることをよろこびとされる。 あなたは、わたしたちをあなたに向けて造られ、わたしたちの心は、あなたのうちに安らうまでは安んじないからである。 主よ、どうかわたしに、知らせ悟らせてください。


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