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エントリーNO.32
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる---- 貧困と孤独にあえぎながら、重くのしかかる現実を3行書きの短歌でうたい、 歌壇に新風を吹きこんだ石川啄木(1886-1912)の歌は、 永遠の青春の讃歌である。 歌集「一握の砂」「悲しき玩具」に新聞・雑誌等に発表した歌を加え、 その足跡をたどる。全歌の索引を付す。

発行
 岩波文庫 2008年7月4日 第19刷
編者
 久保田 正文
タイトル
 啄木歌集 (たくぼくかしゅう)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

     一握の砂
 世の中には途法もない (じん) もあるものじゃ、歌集の序を書けとある、 人もあろうにこの俺に新派の歌集の序を書けとじゃ。 ああでもない、こうでもない、とひねった末がこんなことに 立至(たちいた) るのじゃろう。 この途法もない処が (すなわ) ち新の新たる 極意(ごくい) かも知れん。
 定めしひねくれた歌を () んであるじゃろうと思いながら手当たり次第に繰り展げた処が、
    高きより飛び下りるごとき心もて
    この一生を
    終るすべなきか
 こりゃア面白い、ふンこの 刹那(せつな) の心を常住に持することが出来たら、至極じゃ。 面白い処に気が着いたものじゃ、面白く言いまわしたものじゃ。
    非凡なる人のごとくにふるまへる
    後のさびしさは
    何にかたぐへむ

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