エントリーNO.298
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賃労働と資本

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

労働とは何か、それはいかにして決定されるか、という身近な問題から出発して価値法則を簡潔に説明し、 剰余価値の成立を明らかにする。 マルクスがこれを「新ライン新聞」に連載(1849年)してから百数十年、 資本性的搾取の仕組みを暴露したこのパンフレットは世界各国の労働者に広く読み継がれて来た。 「資本論」研究のための最良の手引書。

発行
岩波文庫 1983年12月10日 第48刷
著者名
カール・マルクス  
タイトル
賃労働と資本 (ちんろうどうとしほん)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   賃労働と資本
 われわれは、今日の階級闘争および国民闘争の物質的基礎をなす経済的諸関係を叙述しなかったことを、 種々の方面から非難された。われわれは計画的に、この諸関係が政治的諸衝突において直接に頭をもたげた場合にかぎって、 この諸関係にふれたのである。
 何よりもまず必要だったのは、日々の出来事における階級闘争を追求し、そして、現存しかつ日々あらたに生み出される歴史的材料によって、 つぎのことを経験的に証明することであった。二月革命および三月革命をやった労働者階級の圧服と同時に、労働者階級の相手----フランスにおけるブルジョア共和主義者、 全ヨーロッパ大陸において封建的専制政治と戦った市民階級および農民階級----も征服されたこと。


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