エントリーNO.283
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ブッダ最後の旅

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

原始経典の中にはブッダの生涯はほとんど記されていない。 だが彼の死は信徒にとって永久に忘れえぬ出来事であったのだろう。 パーリ語本「大パリニッパーナ経」の中に、ブッダの死その前後の事件が詠嘆をこめて語られている。 本書はこのパーリ語本を底本とし、サンスクリット本、漢訳本を参照して邦訳。 巻末に周到詳細な注を付す。

発行
岩波文庫 1983年12月10日 第5刷
訳者
中村 元 (なかむら はじめ)  
タイトル
ブッダ最後の旅 (ブッダさいごのたび)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   第一章
  [一、鷲の峰にて]
一  私はこのように聞いた。
 あるとき尊師は王舎城の<鷲の峰>におられた。
 そのときマガダ国王アジャータサットゥ、すなわちヴィデーハ国王の (むすめ) の子、は、 ヴァッジ族を征服しようと欲していた。かれはこのように告げた。
 「このヴァッジ族は、このように大いに繁栄し、このように大いに勢力があるけれども、 わたしは、かれらを征服しよう。ヴァッジ族を根絶しよう。ヴァッジ族を滅ぼそう。ヴァッジ族を無理にでも破滅に陥れよう」と。
二  そこでマガダ国王アジャータサットゥ、すなわちヴィーデーハ国王の女の子、は、マガダの大臣であるヴァッサカーラというバラモンに告げていった。


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