エントリーNO.247
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大尉の娘

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

プーシキン晩年の散文小説の最高峰。実直な大尉、その娘で、表面は控え目ながら内に烈々たる献身愛と揺るがぬ聡明さを秘めた少女マリヤ、 素朴で愛すべき老忠僕---。 おおらかな古典的風格をそなえたこの作品は、ブガチョーフの叛乱に取材した歴史小説的側面と二つの家族の生活記録的な側面の渾然たる融合体を形づくっている。

発行
岩波文庫 2006年3月16日 第1刷
著者名
プーシキン  
タイトル
大尉の娘 (たいいのむすめ)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一章  近衛の軍曹
 なろうと思えば明日にも 近衛(このえ) 大尉(たいい) どの。----
 「それにゃ及ばん、普通師団に勤めさせろ。」
 なかなか味なこの一言!泣くなら泣くで放っとけ。---
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 だがその 親父(おやじ) はそも何者?
                              ----クニャジニーン
わたしの親父はアンドレイ・ペトローヴィチ・グリニョフといって、若い頃はミーニフ伯の下に勤めていたが、 一七**年に二等中佐で退職した。 それ以来というもの、親父はシンビールスク県の持村に引き () り、 そこで土地の貧乏貴族の娘アヴドーチヤ・ヴァシーリエヴナ・ J(ヤー) (めと) った。 私達は九人きょうだいだったが、私をのぞく (ほか) はみんな 夭折(ようせつ) してしまった。 [母がまだ私を懐妊中に、すでに]私はセミョーノフ 聯隊(れんたい) 軍曹(ぐんそう) として登録されていた。


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