エントリーNO.243
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ブレイスブリッジ邸

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

英国の牧歌的な風景と伝統的な風俗風習を背景に展開する、 米国ロマン派の巨匠W・アーヴィング(1783-1859)の傑作。 ブレイスブリッジ邸での婚儀に招かれた語り手が、邸に集う人びとのさまざまな姿や悲喜こもごもの出来事を丹念に見聞きして語る。 本邦初訳。

発行
岩波文庫 2009年11月13日 第1刷
著者名
アーヴィング  
タイトル
ブレイスブリッジ邸 (ブレイスブリッジてい)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

        ブレイスブリッジ邸へ
ブレイスブリッジ邸はこの近隣の郡で最も古くて最も家政管理の行き届いた由緒ある邸 宅である。そして、その邸宅の主人は地主という肩書きしか用いないが、私は彼ほどす ばらしい領主を知らない。
                               陽気な一文無し
 編集長『スケッチ・ブック』を読んだことのある読者であれば、以前に私がある年のクリスマスを過ごしたブレイスブリッジ邸についてたぶん覚えていらっしゃるだろう。 私は間もなく挙行される婚礼に招待されたので、今またこの邸宅にお邪魔している次第である。 立派な陸軍大尉である若くて威勢のいい地主の二男ガイが、美しいジュリア・テンプルトンと結婚することになっているのだ。 ちなみに、ガイの父親が彼女の後見人として結婚式に立ち会うことになっている。 さて、この華やかな儀式を祝うために、早々に親類縁者や友人たちが集まりはじめていた。 というのも、この邸宅の主人である老紳士は、内輪による地味な結婚式を挙げるつもりなど毛頭ないからだ。 「若い二人の新たな旅立ちを参列者一同が景気よく盛大に祝ってあげる、これが一番だ。 門出が良ければ、これからの人生行路は半ばうまくいったようなものだ」と彼は言葉を添える。


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