エントリーNO.224
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国富論

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

経済学の最初の体系的叙述として、古典中の古典と称せられる不朽の名著。 いわゆる「見えざる手」による予定調和的自由放任政策を主張した本書は、 その実質において近代市民社会の科学的分析であり、後のあらゆる諸学説はここに源を発する。

発行
岩波文庫 2010年4月15日 第12刷
著者名
アダム・スミス  
タイトル
国富論 (こくふろん) 全4冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  第一編 労働の生産力の改良、および労働の生産物が
     国民のさまざまな階層のあいだに自然に分配さ
     れる順序について
 第一章 分業について
 労働の生産力の最大の改良と、それがどこかにむけられたり、適用されたりするさいの熟練、 腕前、判断力の大部分は、分業の結果であったように思われる。
 社会の仕事全体のなかでの分業の効果は、いくつかの特定の製造業でそれがどのように作用しているかを考察することによって、いっそう容易に理解されるだろう。 分業はいくつかのきわめてささやかな製造業でもっとも進んでいると一般に考えられているが、それはおそらく、実際にそうした製造業のほうが他のもっと重要な製造業よりも、 分業が進んでいるためではなく、 少数の人びとのわずかな必要しか満たさないにきまっているささやかな製造業では、職人の総数は当然に少ないにちがいなく、 各作業部門に従事する職人が同一の作業場に集められ、観察者の一望のもとにおかれることが、しばしばありうるからである。


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