エントリーNO.223
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獄中からの手紙

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

1930年、ヤラヴァーダー中央刑務所に収監されたガンディーは、 修道場(アーシュラム) でみずからの教えを実践する弟子たちに宛てて一週間ごとに手紙を送る。 真理について、愛について、清貧について、寛容について、不可触民制の撤廃について、国産品愛用運動について、、、。 ただただ厳粛なる道徳的観点からのみ行動した、「 偉大なる魂(マハートマ) 」の思想と活動原理の精髄。新訳。

発行
岩波文庫 2010年7月16日 第1刷
著者名
ガンディー  
タイトル
獄中からの手紙 (ごくちゅうからのてがみ)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    一 真理
 サッティヤーグラハ・アーシュラムの存在そのものが、真理の探究と、それを (ぎょう) じる実践を 義務(つとめ) とするのですから、 わたしは初めに、真理について論じることにします。
 「サッティヤー(satya[真理])」という語は、実在を意味する「サット(Sat)」という語に由来します。 [サッティヤーは存在している状態を意味します。]真理のほかには、実際にはなにひとつ存在しない[在るのは真理だけです]。 ですから「サット」とか「サッティヤー」は、たぶん、神を表わすもっとも重要な[正確な]名称といえましょう。 実際、「神は真理なり」と言うよりも、「真理は神なり」と言ったほうが、より的確です。 ところがわたしたちは、統率者や将軍なしにやっていけない、それと同じ意味合いで、 「王のなかの王」とか「全能者」といったような神の呼称が一般に用いられておりますし、今後も用いられることでしょう。 しかし、深く考えれば、「サット」または「サッティヤー」は、神を表わす唯一の、正確かつ完全な意味の呼称であることがわかるでしょう。


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