エントリーNO.220
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贋の侍女

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

放蕩者の狡猾なたくらみに対抗する男装のヒロイン、二人の下僕も加わって展開する騙しあいの輪舞「 (にせ) の侍女」。 恋の成就のために変装し、つぎつぎに邪魔者を片づける王女の活躍「愛の勝利」。 現代に復活したマリヴォー(1688-1763)の異性装劇二作品。

発行
岩波文庫 2009年1月16日 第1刷
著者名
マリヴォー   
タイトル
贋の侍女・愛の勝利 (にせのじじょ・あいのしょうり)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  偽の侍女 または罰をうけたペテン師
         三幕散文喜劇
         一七二四年七月八日イタリア人劇団により初演
 第一幕
   第一景
     フロンタン、トリヴラン
フロンタン や、ありゃ、トリヴランの旦那じゃないかな。やっぱりそうだ。やあ、どうした、大将?
トロヴラン 万事好調さ、フロンタン、申し分なしだ。健康そのもの、食欲旺盛、つまり、お前とつき合っていた頃からの、 おれのかけがえのない財産はなんにもなくしちゃいない。で、お前のほうはいま、何やっとるんだい? あの頃は 小商(こあきな) いやって、この分じゃ、 まもなくパリ市民におさまるかと思ったが、あれやめちまったのか?
フロンタン スッてんてんにスッちまったのよ。ところで大将、しばらく会わない間にちったあ運が向いてきたかい?
トリヴラン 知っての通り運てやつはな、できのいい人間に限って・・・。
フロンタン つまり、さんざんってわけか?


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