エントリーNO.218
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雇用、利子および貨幣の一般理論

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

経済学の歴史に「ケインズ革命」と呼ばれる一大転機を画した書。 資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として、 雇用と有効需要、利子率と流動性とを組み合わせた「一般理論」と構想。 現代経済学の出発点にして、今なお必読の古典。待望の新訳。

発行
岩波文庫 2008年1月16日 第1刷
著者名
ケインズ  
タイトル
雇用、利子および貨幣の一般理論 (こよう、りしおよびかへいのいっぱんりろん) 全2冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   第一篇 序論
    第一章 一般理論
 わたしは本書を『雇用、利子および貨幣の一般理論』と名づけた。 一般という接頭辞に力点をおいてである。このような表題を付したのは、 わたしの議論と結論の性格を、同じ主題をめぐる古典派の理論----私を育み、そして過去一〇〇年がそうであったように、 現代においても、統治階級と学者階級の経済的思考を理論、実践の両面において支配している古典派理論のそれに対比させるためである。 古典派理論の公準が妥当するのは特殊な事例のみで一般には妥当せず、 その想定する状態はおよそ考えうる均衡状態の中の極限状態であると主張するつもりである。 そればかりか古典派理論の想定する特殊な事例はあいにくわれわれが現実に生活を営んでいる経済社会の実相を映すものではない。 それゆえ古典派の教えを経験的事実に適用しようとするならば、その教えはあらぬ方向へ人を導き、悲惨な結果を招来することになろう。


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