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エントリーNO.216
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解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用) 制度派経済学の創始者ヴェブレンの主著。 社会と経済の発達に伴う有閑階級の出現を論証し、彼らの心理風俗を克明に分析したユニークな古典。 |
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発行
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岩波文庫 1993年9月22日 第16刷
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著者名
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ヴェブレン
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タイトル
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有閑階級の理論 (ゆうかんかいきゅうのりろん)
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上記著作より、本文書き出し1ページを引用
有閑階級(leisure class)の制度がもっともよく発達しているのは、たとえば封建時代のヨーロッパや封建時代の日本のような野蛮文化の比較的高い段階のばあいである。 そのような国では、諸階級のあいだの区別がきわめて厳重にまもられる。 そして、これらの階級間の差別の、もっとも際立った経済的意義をもつ特徴は、いくつかの階級に固有な職業のあいだにたもたれる区別である。 上層階級は慣習上、生産的職業から免除、もしくは除外され、ある程度の名誉をともなう特定の職業のために留保される。 すべて封建社会の名誉ある職業のうち主要なものは、戦争である。そして僧侶の職務が、多くのばあい、戦争の次位にくる。 もしもその野蛮国がとくに好戦的でないならば、僧侶の役目が上位を占め、軍人の役目が次位となるかもしれない。しかし、軍人でも僧侶でも、 上層階級は生産的職業から免除されるという原則は、ほとんど例外なしに当てはまる。 そして、このような免除は、かれらの卓越した地位の経済的な表示である。 バラモン教のインドは、これらの両方の階級の勤労免除の絶好の実例をあたえる。 いっそう高度の野蛮文化に属する国では、一括して有閑階級とよびうるもののなかに、かなりの小部類の分化がおこる。 また、これらの小部類のあいだに、それに対応する職業上の分化がおこる。 全体としての有閑階級は、貴族階級や僧侶階級を、その多くの従者とともにふくんでいる。 その階級の職業は、それに応じていろいろに分かれる。 |