エントリーNO.213
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カンタベリー物語

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

花ほころび、そよ風吹きそめる四月、サザークの旅籠で出合った二九人の巡礼たち。 身分も職業もさまざまな彼らが、カンタベリーへの道中、順番に話をすることになって--- 中世イギリス最大の詩人チョーサーの代表作。バーン=ジョーンズの挿絵を収録。(全三冊)

発行
岩波文庫 1995年1月16日 第1刷
著者名
チョーサー  
タイトル
カンタベリー物語 (カンタベリーものがたり) 全3冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   総序の歌
 カンタベリー物語の書ここに始まる。

四月がそのやさしきにわか雨を
三月の 旱魃(ひでり) の根にまで滲みとおらせ、
樹液の (くだ) ひとつひとつをしっとりと
ひたし (うるお) し花も (ほころ) びはじめるころ、
西風もまたその (かぐわ) しきそよ風にて
雑木林(はやし) や木立の柔らかき新芽に息吹をそそぎ、
若き太陽が白羊宮の中へその 行路(みち) の半ばを急ぎ行き、
小鳥たちは美わしき調べをかなで
夜を通して眼をあけたるままに眠るころ、


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