エントリーNO.212
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アガメムノーン

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

戦争は何故起り、何をもたらすのか。ギリシアの総大将アガメムノーンは、 ついにトロイアーの都イーリオンを攻略し、帰還した。 しかしその朝、彼を待ち受けていたのは、留守の間に不義を重ねていた王妃クリュタイメーストラーと、 アトレウス家の王位争奪に端を発する、一族の血にまみれ呪われた運命であった。 現存最古の戦争批判文学。新訳。

発行
岩波文庫 1998年10月16日 第1刷
著者名
アイスキュロス  
タイトル
アガメムノーン  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

[プロロゴス]
   (見張りの男登場)
見張りの男  神さま、お願いします、どうかこの苦役からのお解きはなちを。
  見張りの番も、はやまる一年、目をさましたり眠ったり、
  アトレウス御殿の屋根を抱いて---まるで犬だ---
  夜な夜なの星屑どもの寄り合いも、見あきてしまった。
  それに、冬だ夏だと人間様におっつけてくる
  きんきらの大将ども、高い夜空で星だ、星だと光るやつらも、
  昇りぎわには、すぐ消えていくのが、ようくわかった。
  今もこうして、俺が見張っているのは 松明(たいまつ) の合図、
  火が一発ぴかりと見えれば、それがトロイアーからの報せ、
  落ちたぞ、という叫びの声をつたえるそうだ。命令とはいうものの、
  ご主人おもいの奥方さまの 空頼(そらだの) み、その思し召しがこれなのだ。


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