エントリーNO.204
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人間の義務について

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

イタリア建国の志士マッツィーニ(1805-72)。権利に先立つ義務を説き、 祖国を共同体の意識ととらえて国家統一を唱えた。 男女平等、教育重視、人類の進歩とヨーロッパ統合等、 今日でも新鮮に響く思想書。

発行
岩波文庫 2010年6月16日 第1刷
著者名
マッツィーニ  
タイトル
人間の義務について (にんげんのぎむについて)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   一章  序文
 私は、君たちの義務について話したいと思います。わたしたちが知っている最も神聖なものについて、神、人類、祖国、家族について、 心の命じるままに君たちに語りたいと思います。わたしが愛をこめて君たちに話すように、君たちも愛情をもって耳を傾けてください。 私の言葉は、長年の苦しみと観察、研究のなかで熟した信念です。 ここで君たちに示す義務は、わたし自身が命ある限り探し求め、力を尽くして遂行に務めている義務です。 間違いを犯すことはあっても、それは意図したものではありません。 おのれを欺くことは許されても、君たちを騙すことは私は出来ません。 ですから、友の声として聞いてください。私が真実を語っているかどうか、君たち自身で判断してほしいのです。 もし、私の説くことが間違っていると思うのなら、見捨ててください。でも、真実を唱える者だとみなしてくれるのであれば、 私の教えに従って行動してください。間違いは同情すべき不運ですが、真実を知りながらそれに従って行動しないのは、 天においても地においても裁かれるべき犯罪です。


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