エントリーNO.190
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詩学・詩論

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

アリストテレースの『詩学』は悲劇の機能・構造を重視し、英雄をわれわれと同じ人間として扱い、 神・運命などギリシア文学の伝統的な要素や道徳観を考察の対象から省くことによって文学理論としての普遍性を持つにいたった。 後世のヨーロッパ文学、特にフランス演劇に大きな影響を与えたホラーティウスの『詩論』を併収。

発行
岩波文庫 1997年1月16日 第1刷
著者名
アリストテレース、ホラーティウス   
タイトル
詩学・詩論 (しがく・しろん)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   第一章 論述の範囲、詩作と再現、再現の媒体について
 詩作そのもの、および詩作の種類について、わたしたちは論じることにしょう。 すなわち、詩作の種類のそれぞれがどのような機能をもっているか、詩作がすぐれたものとなるには筋がどのように組みたてられなければならないか、 さらには、詩作がどれだけの要素から、またどのような種類の要素から成り立っているか、同様にまた、同じ研究の対象となる他のすべてのことがらについてわたしたちは論じるが、 自然の順序にしたがってもっとも基本的なことから始めよう。

 叙事詩と悲劇の詩作、それに喜劇とディーテュラムボスの詩作、アウロス笛とキタラー琴の音楽の大部分、 これらすべては、まとめて再現といえる。 しかしこれらは三つの点、すなわち、異なった媒体によって、異なった対象を、異なった方法で再現し、同じ方法で再現しないという点において、お互いに異なる。


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