エントリーNO.189
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悪魔の辞典

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

諷刺と機知に富む社会批評で、アメリカ草創期のジャーナリズムで辛辣な筆を揮ったビアス(1842-1913)の箴言警句集。 芥川龍之介の『侏儒の言葉』にも大きな影響を与えた。 名訳の誉れ高い旧訳にさらに手を入れ多くの新項目を加えた決定版。(解説=長田 弘)

発行
岩波文庫 1997年1月16日 第1刷
著者名
ビアス  
タイトル
悪魔の辞典 (あくまのじてん)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

     あ
愛国者 (patriot n.) 部分の利害の方が全体のそれよりも大事だと考えているらしい人。 政治家に手もなくだまされるお人好し。征服者の御先棒をかつぐ人。

愛国心 (patriotism n.) 自分の名声を明るく輝かしいものにしたい野心を持ったものが、 たいまつを近づけると、じきに燃え出す可燃性の 屑物(くずもの)
 ジョンソン博士は、あの有名な辞典の中で、愛国心を定義して、 「 無頼漢(ぶらいかん) の最後の拠り所」と言っているが、この博識ではあるが、 辞典編纂者としては二流どこにしかすぎない博士に対して、当然払うべき敬意は十分に払いながらも、私は、失礼ながら、「最後の」ではなく「最初の」と言いたい。


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