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エントリーNO.169
岩波文庫を1ページ読書
人形の家

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

「あたしは、何よりもまず人間よ」ノルウェーの戯曲家イプセン(1828-1906)は、 この愛と結婚についての物語のなかで、自分自身が何ものなのかをまず確かめるのが人間の務めなのだ、と言う。 清新な台詞と緻密な舞台構成が原典からの新訳でいきいきと再現される。

発行
岩波文庫 2009年7月6日 第13刷
著者名
イプセン  
タイトル
人形の家 (にんぎょうのいえ)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

 第一幕
気持よく品のよい居間だが、飾り付けに贅沢さはない。舞台奥、右手のドアは玄関ホールへ、 左手のドアはヘルメルの書斎に通じる。これら二つのドアの間にピアノ。左手壁の中央にドア、 ずっと離れて前方に窓。窓のそばに丸テーブルと二,三の肘掛け椅子、小さなソファーがある。 右手の壁、やや奥手にドア、同じ側の前手寄りに暖炉があり、肘掛け椅子二脚とロッキングチェアが一脚おいてある。 暖炉とドアの中間に小さなテーブル。壁にはいくつもの銅版画。焼き物や、ちょいとした工芸品などを載せた棚。 豪華版の本を並べた小さな本棚。床には敷物、----暖炉には火が燃えている。

玄関口でベルが鳴る、-----間もなく玄関のドアが開く音。ノーラが楽しげにハミングしながら入ってくる。 外出用の衣服にたくさんの買い物包みをかかえているが、それらを右手のテーブルに置く。玄関のドアは開けたままにしてきているので、 クリスマスツリーと籠を持ったポーターが見える。ポーターはそれらの品を、ドアを開けた女中に渡す。


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