エントリーNO.168
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テアイテトス

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

知識とは何か、真にものを知るとはどういう場合を言うのか。 当時行われていた三つの知識説をとりあげて批判しつつ、プラトン(427-347)は哲学というものが、 さまざまな角度と立場からの吟味や思考を要求するゆえんを我々に示している。 有名な無理数論やソクラテスの産婆術などのエピソードを交えたこの対話篇の面白さは尽きるところがない。

発行
岩波文庫 1990年12月5日 第25刷
著者名
プラトン  
タイトル
テアイテトス  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   一
 エウクレイデス    ちょうどいま、テルプシオン、君はいなかから来たところなんですか。それともさっきから?
 テルプシオン     ええ、かなり前から来ていたのです。それに、貴君をアゴラー中探していたのですが、見あたらないので、おかしいと思っていたのです。
 エウクレイデス    それはそのはずですよ、市中を探したって僕はいなかったんですから。
 テルプシオン     おや、するといったいどこにいたんです。
 エウクレイデス    港へ降りて行くわけだったんですね、途中でテアイテトスに出会ったのですよ。コリントスから、陣地を離れて、アテナイへ運ばれて行くところでした。
 テルプシオン     運ばれてですって?それは生きててなのですか、それとも、もう亡くなってしまってのことなのですか。
 エウクレイデス    生きててなのですが、それこそもうやっと生きているというだけのことでした。 


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