エントリーNO.159
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解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用) 「死に至る病」とは絶望のことである。本書はキェルケゴールが絶望の暗黒を心理学的に掘り下げつつ、 人間というものの本質を激しく追求したものであるが、繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には、 多分に著者自身の自己分析と自己告白とが含まれている。ここに著者の哲学的思索の根本的な特色がある。 |
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発行
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岩波文庫 1984年8月10日 第54刷
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著者名
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キェルケゴール
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タイトル
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死に至る病 (しにいたるやまい)
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一 絶望が死に至る病であるということ。
A 絶望は精神におけるすなわち自己における病であり、そこでそこに三様の場合が考えられうる。
-----絶望して、自己をもっていることを意識していない場合(非本来的絶望)。
絶望して、自己自身であろうと欲しない場合。絶望して、自己自身であろうと欲する場合。
人間とは精神である。精神とは何であるか?精神とは自己である。自己とは何であるか?
自己とは自己自身に関係するところの関係である、すなわち関係ということには関係が自己自身に関係するものなることがふくまれている、
-----それで自己とは単なる関係ではなしに、関係が自己自身に関係するというそのことである。
人間は有限性と無限性との、時間的なるものと永遠的なるものとの、自由と必然との、綜合である。
要するに人間とは綜合である。綜合とは二つのものの間の関係である。しかしこう考えただけでは、人間はいまだなんらの自己でもない。
二つのものの間の関係においては関係それ自身は否定的統一としての第三者である。