エントリーNO.153
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大学・中庸

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

天下国家の政治もその根本は一身の修養にあることを説く『大学』。 人間の本性とは何かを論じ、「誠」の哲学を説く『中庸』。 朱子によって「論語」「孟子」とともに四書の一つとされた儒教の代表的な経典。 本書では、朱子以前の古い読み方を探求して、両書の本来の意味を明らかにすることを主眼とした。 朱子の『大学章句』等を併収。

発行
岩波文庫 1998年4月16日 第1刷
訳注者
金谷 治 (かなや おさむ)  
タイトル
大学・中庸 (だいがく・ちゅうよう)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  [第一章 凡そ三節]
一 大学之道、在明明徳、在親民、在止於至善、
知止而后有定、定而后能静、静而后能安、安而后能慮、
慮而后能得、物有本末、事有終始、知所先後則近道矢、
 大学の道は、明徳を明らかにするに () り、民を親しましむるに在り、 至善(しぜん) (とど) まるに在 り。
 止まるを知りて (のち) 定まる有り、定まりて后 () く静かに、静かにして后能く安く、安くして后能く (おもんばか) り、慮りて后能く () 。 物に本末あり、事に終始あり、先後する所を知れば (すなわ) ち道に近し。
 (一)大学で学問の総しあげとして学ぶべきことは、輝かしい徳を身につけてそれを(世界にむけてさらに)輝かせることであり、 (そうした実践を通して)民衆が親しみ (むつ) みあうようにすることであり、こうしていつも最高善の境地にふみ (とど) まることである。
 ふみ止まるべきところがはっきりわかってこそしっかり落ちつくということになり、 しっかり落ちついてこそ(ものごとに動揺しないで)平静であることができ、平静であってこそ安らかになることができ、 安らかであってこそものごとを正しく考えることができ、正しく考えてこそ(最高善に止まるという)目標も達成できるのだ。
 ものごとには根本と末端があり、また始めと終わりがある。(そのことをわきまえて) 何を先にして何を後にすべきかということがわかるなら、それでほぼ正しい道を得たことになるのである。
(サイト管理人 注 漢文最後の「矢」旧字見当たらず)


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