エントリーNO.148
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解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

多くの自由都市が覇をきそいあう15−16世紀のイタリア。 マキアヴェッリはフィレンツェ市政庁の書記官として政治的辣腕をふるったが、 晩年にいたって失脚し、失意のうちに本書を執筆した。 いかにして政治権力を獲得し、また保持・伸長するかという問題を倫理の観点を排して冷徹に論じる。 近代政治理論の淵源。

発行
岩波文庫 2010年4月26日 第17刷
著者名
マキャヴェッリ 或いは マキャベリ  
タイトル
君主論 (くんしゅろん)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  第一章
   君主政体にはどれほどの種類があるが、またどのようにして獲得さ
   れるか
 すべての政体は、すなわち昔から今まで人びとの上に政治権力を行使してきたすべての支配権は、昔も今も共和制かさもなければ君主制である。 君主政体は、その支配者の血筋が長いあいだ君主として続いてきた世襲の政体か、さもなければ新興の政体である。 新興の君主政体は、フランチェスコ・スフォルツァの手に帰したミラーノのごとく、 全面的に新しいものか、さもなければスペイン王の手に落ちたナーポリ王国のごとく、 それを獲得した君主の世襲政体に付加された増築箇所のようなものである。 こうして新たに獲得した支配地は、それまで君主の下で暮らすことに馴らされてきたか、 さもなければ自由であることに慣れてきたかである。また獲得したさいには、 他者の軍備によったかさもなければ自己の軍備によったかであり、運命のためかさもなければ力量のためである。


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