エントリーNO.147
|
|
解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用) 量子力学を創造し、原子物理学の基礎をつくった著者が追究した生命の本質---分子生物学の生みの親となった20世紀の名著。 生物の現象ことに遺伝のしくみと染色体行動における物質の構造と法則を物理学と化学で説明し、生物におけるその意義を究明する。 負のエントロピー論など今も熱い議論の渦中にある科学者の本懐を示す古典。 |
|
発行
|
岩波文庫 2009年2月16日 第5刷
|
著者名
|
シュレーディンガー
|
タイトル
|
生命とは何か (せいめいとはなにか)
|
第一章 この問題に対して古典物理学者はどう近づくか?
我考う、故に我在り デカルト
1 研究の一般的特質と目的
この小著は、一理論物理学者が約四〇〇人の聴衆に対して行った一連の公開講演をもとにしたものです。
私は聴衆に向かってまず最初に、この題目の問題は難しい問題であって、物理学者の使う武器として最も恐れられている数学による推理はほとんど用いないが、
本講演は決して大衆向きということはできないと警告しましたが、聴衆の数はたいして減りはしませんでした。
数学を使わなかった理由は、数学なしで説明できるほど問題が簡単だからではなくて、むしろあまりに複雑で、
十分数学を使えなかったからです。この講演が少なくともうわべは通俗的にみえたもう一つの理由は、講演者の意図が、
生物学と物理学との中間で宙に迷っている基礎的な観念を、物理学者と生物学者との双方に対して明らかにすることにあったからです。