エントリーNO.123
岩波文庫を1ページ読書

解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)

洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム。 流域の町や村でふたりが出会う冒険の数かず。 辺境時代のアメリカで、何ものにもとらわれずに生きようとする少年と、必死に自由の境涯を求める黒人の姿に作者のヒューマニズムが脈打つ。 「現代アメリカ文学の源泉」といわれた傑作。初版挿絵を収録。

発行
岩波文庫 2009年8月4日 第50刷
著者名
マーク・トウェイン  
タイトル
ハックルベリー・フィンの冒険 (ハックルベリー・フィンのぼうけん) 全2冊
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  第一章
 おらのことは、『トム・ソーヤーの冒険』ていう本を読んだ人でなければ、だれも知るめえが、 そんなことはかまわねえ。その本はマーク・トウェーンさんが書いたもんで、あらましは本当のことが書いてある。 少しはうそっぱちもあるが、あらましは本当だ。でもどうってほどのことじゃねえ。だれだっていつかしら、 うそをついたことのねえ人間なんて、見たことがねえもん。 ポリーおばさんや 後家(ごけ) のおばさん、それにメアリーなんかはべつだがな。 ポリーおばさんてのは、トムのおばさんのこったが、それにメアリーと、後家のダグラスおばさんのこたあ、みんなその本の中に書いてある。 だいたいは本当の話だ。さっきも言ったように、少しはうそっぱちもあるけんどな。
 で、その本のおしめえはこうなってる。トムとおらは、どろぼうたちがほら穴にかくした (かね) を見つけて、それで金持ちになった。 おらたちは、六千ドルずつ手に入れた。金貨ばっかしだぜ。積み上げると、すげえ大きな金の山になった。


copyrighit (c) 2011 岩波文庫を1ページ読書