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エントリーNO.97
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
万葉の伝統と西欧近代の精神との本質的な融合によって、 日本の文学に真の近代をもたらした画期的な歌集である。 「死にたまふ母」「おひろ」の溢るる叙情は永久に我々の心を揺り動かしてやまない。 本文庫本は斎藤茂吉(1882-1953)みずから定本とした改選版に、 発表当時異常の影響を文芸界に与えた初版本(大正2年刊)を付載した。   解説=柴生田稔

発行
 岩波文庫 2007年10月26日 第6刷
著者名
 斎藤 茂吉 (さいとうもきち)
タイトル
 赤光 (しゃっこう)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  自 明治三十八年
  至 明治四十二年
    1 折に触れ 明治三十八年作
霜ふりて 一(ひと) もと 立(た) てる柿の木の柿はあはれに黒ずみにけり
浅草の 仏(ほとけ) つくりの前来れば 少女(おとめ) まぼしく 落日(いりひ) を見るも
書(ふみ) よみて 賢(かしこ) くなれと 戦場(せんじやう) のわが 兄(あに) は 銭(ぜに) を 呉(く) れたまひたり
戦場(せんじやう) の 兄(あに) よりとどきし 銭(ぜに) もちて泣き居たりけり涙おちつつ
馬屋(まや) のべにをだまきの花とぼしらにをりをり馬が尾を振りにけり

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