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エントリーNO.81
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
ソローは、ウォールデン湖畔の森の中に自らの手で小屋を建て、自給自足の生活を始めた。 湖水と森の四季の佇まい、動植物の生態、読書と思索---- 自然と共に生きた著者の生活記録であると同時に「どう生きるべきか」という根本問題を探求した最も今日的・普遍的なアメリカ文学の古典。 湖とその周辺の写真多数を収める新訳。

発行
 岩波文庫 2008年2月25日 第21刷
著者名
 H・D・ソロー
タイトル
 森の生活 (もりのせいかつ) (ウォールデン) 全2冊
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  経 済
 以上の頁、というよりもその大部分を書いたとき、私はどの隣人からも一マイル離れた森のなかにひとりで暮らしていた。 マサチューセッツ州コンコードにあるウォールデン湖のほとりに自分で建てた小屋を 住処(すみか) とし、 手を使った労働だけで生活の (かて) を得ていたのである。 私は二年二ヶ月のあいだ、そこで暮らした。現在はふたたび文明社会の逗留者となっている。
 町のひとびとから、そのときの暮らしぶりについていろいろとこまかい質問を受けなかったならば、 私は個人的な出来事を読者のみなさんの目に、これほど押しつけがましくさらすようなことはしなかっただろう。 そんな質問をするのは失礼だというひともいるであろうが、私は全然失礼とは思わないし、 さまざまな事情を考えあわせてみると、きわめて自然で当然のなりゆきであった。 私はよく、なにを食べていたかとか、さびしくはなかったかとか、怖くなかったか、などと聞かれた。 また、私が収入の何割を慈善事業に寄付したかを知りたがるひともいれば、 大家族をかかえている村びとたちのなかには、あわれな子供を何人養っているのかとたずねる者もいた。

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