エントリーNO.472
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古代ユダヤ教

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

ユダヤ人とは何であったのか。本書は 賤民(バーリア) 民族となるその運命的過程を叙述し、 賤民資本主義の本質を解明する。ヴェーバーの比較宗教社会学研究の中で『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と併せて西洋近代経済倫理の歴史的理解に重要な著作。(全3冊)

発行
岩波文庫 1996年9月17日 第1刷
著者名
マックス ヴェーバー   
タイトル
古代ユダヤ教 (こだいユダヤきょう) 全3冊  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

    第一章  イスラエル誓約同志共同態とヤハウェ
  序論----ユダヤ宗教史の社会学的問題
 ユダヤ教は、宗教史的・社会学的にみて独自の問題をもっている。この問題はまさにインドのカースト秩序と比較することによってもっともよく理解できる。 ではいったい社会学的にみてユダヤ人とはなんであったのか。一つのパーリア民族(Pariavolk 賤民)であった。 その意味は、われわれがインドから知るごとく、儀礼的に、形式上あるいは事実上、社会的環境世界から遮断されているような客人民族のことである。 環境世界に対するユダヤ人の態度の本質的諸特徴、わけても〔中世の〕強制隔離よりはるかに以前から存在していた自由意志によるユダヤ人居住区の存在や対内・対外道徳という二重道徳のつかいわけ、 はすべてこのパーリア民族から由来すると見られるのである。 ところでユダヤ民族は、次の三つの重要な事情によって、インドの賤民諸部族とは相違している。
 (1)ユダヤ民族は、カースト秩序のないような環境世界の中で、一つのパーリア民族であった(というよりはむしろ、一つのパーリア民族となった)。


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