エントリーNO.550
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汚辱の世界史

解説文(「岩波文庫解説総目録」或いは、表紙より引用)

「無法請負人」モンク・イーストマン、「動機なき殺人者」ビル・ハリガン(ビリー・ザ・キッド)、「傲慢な式部官長」吉良上野介など、 読者には先刻お馴染みの悪党や無法者についての史実や原話を本歌取りしたボルヘス最初の短篇集。ボルヘスによる悪党列伝。

発行
岩波文庫 2012年4月17日 第1刷
著者名
 J.L.ボルヘス  
タイトル
汚辱の世界史 (おじょくのせかいし)  
 
上記著作より、本文書き出し1ページを引用

  汚辱の世界史
 ラザラス・モレル----恐ろしい救世主
  遠因
 一五一七年、スペイン宣教師バルトロメ・デ・ラス・カサスは、地獄さながらのアンティリヤスの金坑で憔悴しているインディオに同情し、時の皇帝カール五世のその救済策を上奏した。 黒人を輸入し、かわりに彼らを金山地獄で憔悴させてはいかがというのである。南北両アメリカを通じて、この奇妙な博愛精神の発露に負うものは数知れない。 W・C・ハンディのブルース。ウルグアイの弁護士画家ペドロ・フィガりのパリにおける黒人画の成功。『黒人事情』の著者である、もう一人のウルグアイ人ビセンテ・ロッシの逃亡奴隷をめぐる名文。エイブラハム・リンカン像の神話的背丈。南北戦争による五十万の戦死者と軍人恩給に費やされた三十三億の大金。


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