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エントリーNO.38
岩波文庫を1ページ読書

           解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用)
「武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である」。 こう述べる新渡戸(1862-1933)は、武士道の淵源・特質、 民衆への感化を考察し、武士道がいかにして日本の精神的土壌に開花結実したかを解き明かす。 「太平洋の懸橋」たらんと志した人にふさわしく、 その論議は常に世界的コンテクストの中で展開される。

発行
 岩波文庫 2008年5月23日 第93刷
著者名
 新渡戸 稲造 (にとべ いなぞう)
タイトル
 武士道 (ぶしどう)
                    上記著作より、本文書き出し1ページを引用

   第一章    道徳体系としての武士道
  武士道(シヴァリー) はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。 それは古代の徳が () からびた標本となって、我が国の歴史のさくよう集中に保存せられているのではない。 それは今なお我々の間における力と美との () ける対象である。 それはなんら手に触れうべき形態を取らないけれども、それにかかわらず道徳的雰囲気を香らせ、 我々をして今なおその力強き支配のもとにあるを自覚せしめる。 それを生みかつ育てた社会状態は消え失せて既に久しい。 しかし昔あって今はあらざる遠き星がなお我々の上にその光を投げているように、 封建制度の子たる 武士道(シヴァリー) の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、 今なお我々の道徳の道を照らしている。 ヨーロッパにおいてこれと姉妹たる騎士道が死して (かえり) みられざりし時、 ひとりバークはその棺の上にかの周知の感動すべき賛辞を発した。 いま彼れバークの国語[英語]をもってこの問題についての考察を述べることは、私の愉快とするところである。
  (サイト管理人 注 2行目 ”さくよう”該当漢字見当らず。)

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