エントリーNO.137
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解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用) 鈴木大拙(1870-1966)の最晩年----驚くべし、90歳前後----に書かれた思想的エッセイを収録した「東洋的な見方」を中心に、同時期の好文章を加えて再編成。 世界にとって失われてはならない東洋の「よきもの」とは何か---文字通り世界に出て西洋を自らの生活世界とした著者が、身をもって探求しつつ生きたそのドキュメント。 |
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発行
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岩波文庫 2010年4月26日 第20刷
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著者名
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鈴木 大拙 (すずき だいせつ)
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タイトル
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東洋的な見方 (とうようてきなみかた)
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東洋文化の根底にあるもの
東洋と西洋、というあんばいに、文化を地理的にわけて好いか否かは、厳密に規定せられぬかも知れぬ。
が、これは、そんなにやかましく、科学的に書き立てるのでないから、ただ漠然と東と西ということにしておく。
キプリングも「東は東、西は西、とても一つにはならぬ」と歌っている。まず西洋民族の意識の底に何があるかを吟味する。
ラテン語でdivide et imperaというのがある。英語に訳すると、divide and ruleの義だという。
すなわち「分けて制する」とでも邦訳すべきか。なんでも政治か軍事上の言葉らしい。
相手になるものの勢力を分割して、その間に闘争を起こさしめ、それで弱まるところを打って、屈服させるのである。
ところが、この語は不思議に西洋思想や文化の特性を
分割は知性の性格である。まず主と客とをわける。われと人、自分と世界、心と物、天と地、陰と陽、など、すべて分けることが知性である。