解説文(「岩波文庫解説総目録」より引用) 一般に「花伝書」として知られる本書は、 亡父観阿弥の遺訓にもとづく世阿弥(1364?-1443)最初の能芸論書で、 能楽の聖典として連綿と読みつがれてきた。 室町時代以後日本文学の根本精神を成していた。 「幽玄」「物真似」の本義を徹底的に論じている点で、 堂々たる芸術表現論として今日もなお価値を失わない。